2018年ごろから頻繁に「AI」という言葉を聞くことが増えました。そして、2024年、まさにAI革命が起こりそうです。
そう、ChatGPTの登場です。ホワイトカラー職種のほとんどがIAにとって代わられるなんてことも言われ始めています。
そんなこれからさらに変化の激しい時代において、斜陽産業に行くのは自殺行為かもしれません。
そもそも斜陽産業って何…?
斜陽産業にいる私はもしかするとやばい…?
あなたもきっとこのように思っているのではないでしょうか。
本記事では、今さら同僚には聞けない「斜陽産業」について、斜陽産業に居続けた筆者が解説していきたいと思います。
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斜陽産業とは
斜陽産業の意味を簡潔に説明すると、「需要の減少傾向が長期間続いている産業」ということになります。
需要が傾向的に減少している産業。産業の発展段階からみて成熟期を過ぎてしまい,活発な需要が発生しない場合や,技術革新などを利用した新しい産業の登場,あるいは外国の競争力の強い競合商品の輸入などによって従来の需要が侵食される場合などにみられる。日本ではエネルギー革命の進展によって衰退した石炭産業や外国製品との競争により比較優位を失った繊維産業などがその代表例とされている。歴史的,社会的な条件に基づく相対的な概念で,発展段階の進んだ国では斜陽産業であっても,発展の遅れた国では成長性をもつ場合が多い。
出典:斜陽産業(しゃようさんぎょう)とは – コトバンク
身近な言葉に置きかえると…
- 「電子書籍を購読している人にとっての本屋」
- 「カーシェアを登録している人にとってのレンタカー屋」
これは本屋さんやレンタカー屋さんが衰退していると言っているわけではなく、ニーズのあり方が変わってきたと言えます本・文具も車も生活には欠かせないものですが、近年消費者のニーズの変化によって利用せずとも同じようなサービスを受けられるサービスが出てきました。
斜陽産業は、「過去に記録したピークの売上高等を、現在に至るまで上回っておらず、かつ将来的にも回復の見込みがない」といえるでしょう。
筆者は高校時代に50メートル走を6秒4で走ったことがありますが、年齢の増加と運動不足に伴い30歳現在、その記録を抜くことは不可能です。不可逆的なのです。
筆者にとっての短距離走はまさに斜陽競技なのです…笑
一方で、「成長産業」という言葉があります。
その名の通りこれからの成長が期待されている産業で、サービスとしては、前述した電子購読が可能なWebサイトや漫画アプリだったり、カーシェアなどが挙げられています。
「斜陽」とは夕陽の光を意味しますが、「全盛期を過ぎて勢いが弱まったもの」を指す言葉でもあります。
傾向から見る斜陽産業・衰退産業の原因
斜陽産業になっていく理由は、実にシンプルです。
不要になった、もしくはなる可能が高いからです。
サービス品質の低下によって衰退するわけではありません。
それこそ、かつての日本での娯楽といえば大人たちはラジオや本・新聞、子供たちは公園などで遊んでいました。テレビは一家に一台あるわけではなく、電気屋さんの前で足をとめて街の人々で見ていました。
娯楽一つとっても嗜好の変化が訪れており、ラジオからテレビ。近年ではYouTubeやTikTokといった手軽にどこでも楽しめるコンテンツへ移行しています。
人々の嗜好の多様化が進むに連れて、個別最適化できない産業はどんどん衰退していくということがわかります。変化についていけない業界こそがどんどん潰れていくのです。
もはや斜陽産業に未来はないのかーー。
必ずしもそういうわけでもないのですが、もし今後長く働いていきたいと考えている人や市場価値を高めて行きたい人にとっては様々な苦境やリスクも想定される業界です。
斜陽産業一覧
斜陽産業に関しての説明は前述したとおりですが、結局のところ「斜陽産業って具体的にどんな業界なの?」と考える方は多いかと思われます。
成長限界や技術革新など聞きなじみが少ない言葉が多く、そもそも市場規制等の影響ってなんだろう…とか筆者自身も最初は思ったりもしていました。
簡単に言ってしまえば、コロナ渦において
- アパレル業界
- 飲食業界
- 旅行・ブライダル業界
上記業界がなんとなく売り上げが芳しくなかったことなど、あなたの生活にも直結しているためわかりやすいかもしれません。
そんな様々な要因から斜陽産業と認識されてしまった業界も昨年と比較したら大きく増加しています。
下記に、インターネットの情報を元に2023年現在の斜陽産業とされる業界一覧をまとめてみました。
- 印刷業界
- 出版業界
- テレビ業界(放送・マスコミ)
- 芸能業界
- 音楽業界百貨店・デパート業界
- アパレル業界
- ブライダル・ウェディング業界
- 携帯販売代理店
- 電機メーカー
- カメラメーカー
- 家電量販店
- 銀行業界
- 保険・金融業界
- 士業(弁護士、税理士、会計士)
- 農業
- 水産業・漁業
- 造船業界
- パチンコ・パチスロ業界
2024年現在、斜陽産業として挙げられている主な業界となります。
ただ、斜陽産業・衰退産業だからと言って、業界やそこに属する会社の将来が全て暗いかというと決してそんなことはありません。
むしろ、今保有している問題点・これからの目指すべきビジョンをしっかり把握していくことで、明るい未来が開ける可能性もあります。
主な業種別の斜陽産業ランキング
上記産業群の中をさらにランキング形式でまとめてみました。
- 印刷業界
- デパート・百貨店業界
- 新聞業界
- ホテル・ブライダルウエディング業界
- 出版業界
- テレビ業界
- 音楽業界
- 銀行業界
- 士業
印刷や新聞、出版などは、紙からWebへの移行とともに斜陽産業と言われて久しいですが、20年前は超安定とされていた銀行もランクインしています。
現代では、テクノロジーの発達(FinTech)によって、物理的な店舗が必要となくなっています。現に、支店単位の統廃合から地方銀行単位の統廃合が進んでいる状態です。
金融に興味関心がある場合でも、これから窓口業務がしたいなんていう方への風向きは厳しくなることが予想されます。
※上記ランキングは、業界動向リサーチ会社のデータを元に転職kingにて独自で判断している指標となります。重要な判断を伴う情報の収集に関しましては、十分ご注意ください。当サイトは一切の責任を負いかねます。
実際に筆者が働いていた業界から見る業界の現状
筆者は、まさに今斜陽産業と言われている業界にずっと身を置いていました。
実体験としてそこからわかったことを業界別にご紹介したいと思います。
印刷業界
印刷業界に入社した際に感じた強み
- 業界内の横のつながりが大きく、仕事のつながりは大切にする風潮
- 実力主義ではなく圧倒的な年功序列制度(人によってはつらいかもしれません)
- その業界に特化したスキルや経験は学べるので類似職種での転職はそこまで困らない
斜陽産業からの転職で苦労した点
- 業界内のつながりが大きいからこそ転職の時も簡単に動けない
- 会社ごとに給与設定が大きく異なるため現実的な部分から転職が困難な場合がある
- 業界特化のスキルのため異業界への転職の場合また1からのスタートとなる
上記に伴って給与などが大きく減少する場合があります。
もともとは人気職種だった印刷業界がなぜ斜陽産業になったかというと、
- そもそもの雑誌を読むという行為が大幅に減少していること
- 世間のデジタルシフトに伴い、コミュニケーションツールとして紙媒体を使用する機会の減少
が大きな要因の2つです。
印刷産業の出荷額(青の棒グラフ)を確認するとピーク時の1991年から直近2017年に掛けて、出荷額が半減していることが確認できます。
よって、業界全体では傾斜産業といえるでしょう。
新聞業界
実際に新聞業界に入社した際に感じた強み
- さまざまな職種や業界の著名人とお話しする機会が多く、知識や経験は普通よりも豊になる
- 取材や会食が多くビジネスシーンとは別に社会人としての立ち回りも数多くの場で経験するので営業力が身に付く
- 日々様々な業務に追われるためスケジュール管理や責任感・マルチタスク能力が身に付く
新聞業界からの転職で苦労した点
- 今の現在の給与水準が比較的高いため安易に転職ができなくなる
- 印刷業同様に職種・スキルが特殊なため異業界への転職の場合また1からのスタートとなる
新聞業界が斜陽産業になった大きな要因としては、デジタルシフトへの遅れです。
特に地方紙はデジタルシフトだけでなく、人口減少が進んでいるので大きな苦境に立たされています。
新聞社の総売上高推移
総売上高・構成を占める広告収入・販売収入が大きく減少しています。
総売上高のピークは 2005年/2兆4118億円
こちらも14年後の2019年には1兆6526億円まで落ちており、7592億円の大幅な減少となっています。
日経新聞や朝日新聞といった大手新聞社はスマートフォンやタブレット等の電子版を提供していますが、契約数がほぼ変わらず中々売上を伸ばしておりません。
出版業界
筆者は新卒で出版業界に入社しました。
出版業界に入社した際に感じた強み
- 年間での部署異動が多く、様々な局での経験を積んでいくことが可能
- 企業規模によっては不動産などの所有が多く、安定して長く働いていける
- 専門ソフトの使用が多く、作家さんやライターさんとの打ち合わせ等で疑似的なマネジメント経験に携わることができる
出版業界からの転職で苦労した点
- 特殊な職業のため異職種への転職の際に志望動機等の接続が困難
- 各部署や局での経験が浅くなるため必然的に器用貧乏な部分ができてしまう
- 広告などにも携わるが、ポジション的に強いためTo Cの営業等には不向きになってしまう
- 必要資格がそこまでなく、資格取得のタイミングを逃し経験に説得力がでなくなる
新卒入社時から毎年コミック・雑誌の売り上げは年を減少しており、電子媒体などへのデジタル化の移行を目指すも難航していました。
しかし、コロナ渦において、アニメや映画などのツールが今まで以上に人々の生活インフラの一部となっていき、代表的な作品としては『鬼滅の刃』や『ワンピース』など大ヒットの影響から電子版での売上が伸びていきました。
長年減少傾向だった販売額も、電子コミックとの同時販売により、上昇傾向となっております。
出版業界に関しては電子コミック等、漫画領域に限って復活の兆しが見えています。
広告業界は斜陽産業なのか
一部の記事では、広告業界も斜陽産業として解説されています。
しかしながら、広告全体を斜陽産業としてみなしてしまうのは危険です。こちらのグラフをご覧ください。
電通の調査によれば、コロナショックはあれど、全体的には増加傾向にあります。
上記のグラフでもわかるように、内訳が変化しているということです。
たしかにマスコミ4媒体(新聞、雑誌、ラジオ、テレビ)は斜陽産業といえますが、インターネット広告はむしろ伸び続けているのです。
SNSや動画広告だけではなく、最近ではWeb3.0など新しいトピックもあるため十分に成長産業と言えるでしょう。
広告全体を斜陽産業と捉えるのはやめて、広告の中でも伸びていく産業を見極めていきましょう。
ちなみに、職種で言えば、Web・SNSマーケティング職は比較的未経験からでも挑戦できるのでおすすめですよ。
斜陽産業 –まとめ
今回は斜陽産業について解説しました。
なぜ筆者が斜陽産業に多く在籍していたかというと、斜陽産業だからこそ
- 求めている人物像やスキル・経験が明確で酷似している
- 裁量権が大きく様々な仕事にチャレンジしていける
つまり、そこに狙い撃ちして、しっかりと経験スキルを積んでいけば異業種でも採用されやすく、また、しっかりと早期で活躍していける人材へと最短で成長することができると考えたからです。
結果としては転職してよかったと思うことが多く、前職でつらかった経験や頑張ったことなどがしっかりと成果として可視化されるようになっていきました。
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